|
私が9歳の夏 大きなラジオから玉音放送が流れて・・・その時母は泣いていました それが何もかも失う始まりの瞬間でした
昭和11年生まれです。満州の新京（現在の中華人民共和国吉林省長春市）で生まれまして、それからハルピンにちょっとだけいたみたいですね、それからまた新京に帰りまして、新京から引き揚げてまいりました。
終戦のときが9歳の夏
9歳ですからね、戦況とかはわからないんですけど、玉音放送は覚えてます。
「ちょっと今からすごいことが起こるみたいだから、ラジオのところにおいで。」
父に言われて、昔の大きいラジオですよね、父と母と私、3人で聴きましたよ。私は訳もわからず、ただ母なんかは涙を流してましたね。父は
「これは大変なことになるで。」
そう言ってました。何もかもすべて失う瞬間ですよね。いきなり世界が、がらっと変わっちゃう。
何もかも失うのは、まだ1年後で、それまでにいろんなことがいっぱいあったんですね。
ウチは何故かお隣の家と2つ持ってたので、きっと会社の人に貸してたんでしょうね。そこの2つの家に一部屋ずつ、ウチの会社の人の家族が入りましてね、それで何か起こると夜になって、ウチの部屋に集まって来るんですよ。
そのときはいろんな国の兵隊さんが来てましたから、ソ連兵、アメリカ兵・・・
「八路が来る。それでみんな、みんな殺されちゃうよ。」
そんな噂してるんですよね。
いろんな国の兵隊が来ました
いちばん最初はソ連兵が入ってきたのかな？ ウチに遊びに来るとか、いろんなことがあるんですよ。
中には悪いかたもいらしてね、私、銃を背中につきつけられて
「家まで案内しろっ！」
家に入るのは拒めない、入れなかったらダメなんですよ。兵隊はひとりでくるんじゃないですよ、5、6人で来るんです。悪い人は、何か貰って帰ろうとか。
夜に来るとね、家族はみんな一部屋に集められて、子供たちは別の部屋に入れられて、寝かせられるんですけど、鉄砲持ってお布団の中に入ってくるんですよ。キスをしようとしたんです。私、私、大きい声で
「ギャーッ！」
キスして来たのはアメリカ兵。でも私が大きい声で叫んだので、母がびっくりして飛んで来たのと、その兵隊さんもびっくりして出て行ったんで、何にもされずに終わったんですけどね。間一髪逃れたんです。
兵隊さんが来るときはね、悪いことしに来るんじゃなくって、遊びに来るんですよ。お茶飲んだりしてね。
ですからいろんなお土産を持って来てくれるんですよ。自分の国からお土産を持って来てるんです。何でしょう、花柄のハンカチとか、来ると必ず私はいただいてました。だからそういう怖い人って思わなかったんですよ。
でも中には、そういうことしたい人がいるんですよね。だって若い人ばっかりでしょ？
そうして1年間は自宅にいられたんですけど、ついに
引き揚げ命令が来ました
引き揚げるとき、ウチの父は役員をしてましたので、みんなを引き揚げさせてから自分は最後なんですよね。どこどこの町は何月何日って決まってるんですよ。
どこから発ったのかはあんまり覚えてないんですけど、家から馬車みたいなのに乗って、たぶん新京の駅からだったんでしょうね、汽車に乗って、着いたのはどこの駅かわからないんですけど、人でいっぱい。もう何千人、ひょっとしたら、1万、2万かもしれませんよ。
何にも持ってってはいけないんですよ。覚えているのは手縫いの袋に、何を入れてたんでしょうね、それをひとつさげて、夏だったので、運動靴で引き揚げて来るでしょ？ 歩くのも何十キロか何百キロか、とにかくすごく歩くんですよ。みんな縦列に並んで、もうすごい人ね。
その間に物取りが多いんですよ。引揚者だからいろんな物を持ってるだろうと思って。もう何時間、何十時間歩いたかわかりませんけど、、その途中で
体力のない子供は死んでいきます
まだ新京にいるときがそうでしたよ。亡くなって私の家の庭に埋めたりね。埋めてあげられるところいるときはいいですよね。歩きながらだから、そこらへんに投げてくるわけでしょう？ 赤ちゃんなんかね。そんなんでしたよ。
戦争前後を通じていちばん悲惨な体験はそれですよね。
こういう話は引揚者ってみんな話したくないんですよね。最近ですよ、しゃべるようになったのは。聞かれたらね。そろそろいいかなって思って。終戦直後は全然、聞かれても上手に逃げてましたね。
もう忘れたいっていうのがありますよね。それは私だけじゃなくて、皆さんそう言ってらっしゃるんですって。もう触れたくないって。
心は永遠に乙女のままという喜寿美老女
帝塚真織さん 77歳（インタビュー当時）
帝塚真織さんが誕生した昭和11年(1936年)の出来事
1月 日本がロンドン海軍軍縮会議から脱退 松竹大船撮影所開所 中日ドラゴンズの前身、名古屋軍が誕生
2月 天皇機関説を提唱した美濃部達吉が、右翼に襲撃されて負傷 全日本職業野球聯盟設立 神戸モロゾフ洋菓子店が、英字雑誌に日本初のバレンタインチョコレートの広告を出す 二・二六事件勃発、東京市に戒厳令布告
3月 ドイツがラインラントに進駐
5月 阿部定事件
7月 巨人が公式戦で初勝利（対名古屋戦） 国際オリンピック委員会で第12回夏季オリンピック開催地を東京に決定
8月 第11回夏季オリンピックがベルリンで開幕、河西三省が「前畑ガンバレ」の実況
11月 アメリカ合衆国大統領選挙でフランクリン・ルーズベルトが再選 日独防共協定締結
帝塚真織さんと同い年の有名人女性
市原悦子 野際陽子 内海好江 三ツ矢歌子 大山のぶ代 白川由美 馬渕晴子
男性とお付き合いはね、18歳くらいに2人ほど好きになりましたけど、全然お付き合いなしでした。初めて付き合ったのは結婚した主人ですね。
結婚したのは21歳のときです。初キッスもそのときだと思います。私はどうでもよかったんですけどね。そんなに好きじゃなかったんですよ。でも
（私が好きになるよりも、私を好きになってくれる人と結婚したほうが幸せになるかな？）
そういう気持ちで結婚したんです。すぐ幸せじゃなくなりましたけどね。
結婚するまでに、いろいろな人に声かけてたんですよ。私と付き合ってるのに
「映画見にいかない？」
他の女を誘ってたんですよ。あの頃は映画ですよね。娯楽といえば、他にないですから。そのことが耳に入ったので
（この人あんまり信用できないからやめようかな？）
そう思ってたんですけど
「僕と結婚してくれなかったら、ここから飛び降りて死ぬ！」
そんなこと言い出したんですよ。
「どうぞ、いいですよ。」
そう言って私、東京に行ったんですよ、知ってる人を伝って。東京に来るって大変な時期でしょ？ 追っかけて来ないと思って、逃げました。
それでも毎日毎日速達で手紙が来るんですよ。それで断りに帰ったんですけど、何だか向こうの兄弟たちが集まっていて
「結婚できなかったら死ぬって騒いでるから。」
「死んでください。」
そうは言えませんからね。
「どうぞ好きなようになさってください。」
でも、みんなに迫られて仕方なし二結婚したんですよ。
７７歳！帰ってきた婆ドル
離婚したのはね、子供が就職してからですよ。それまでも一緒に住んでません。別居してました。子供が小学校１年生のころ
「どうぞ荷物全部持って、あちらの人のところに行かれたら？ 置いておかれた荷物は全部捨てますから。」
出ていきましたね。全部捨てました。
そのときは母親ですからね、とにかく学校上げなきゃいけないから、私は大学まで上げてやろうと思ってね。旦那からは養育費とか一銭も貰ってません。お店してましたから、私は。
「お金いいですから、いらないわよ。」
クラブしてました。女の子2、3人入れましてね。いい時代ですからね、できたんです。昭和46年からバブルがはじけるまで。
70代の女性とは思えぬ妖艶でパワフルなセックスを披露する高齢熟女
そういう世界だから、お客さんから口説かれたりは日常的にあるんですけど、でもね、そうなったらダメなんですよ。他のお客様にわかりますでしょ？ だから私はお店するときに
お客様とゴルフ、マージャンはしない
食事にも行かない
個人的に付き合わない
お酒もなるべく飲まないようにしよう
そう決めてたんです。それを全部守りましたね。
やめるちょっと前、子供たちが大学上がる頃に、お客さんに口説かれて、ちょっと女になりかけたんですよ。でも口説いたお客さんが
「まだお母さんだからね。お母さんじゃなきゃだめなんだよ。」
「そうよね。」
私が本気になってきたんで、怖くなったんじゃないですかね。
心も体も元気ハツラツ！奇跡の77歳
お店はね、2000年にやめたんです。それでやっと男性と付き合えたのが5年前。
それまで男性とお付き合いしてもセックスはしたくなかったんですよ。
「あなたと一生お付き合いしたいから。セックスしちゃうと、やっぱり別れるときイザコザ起こすでしょ？ だから、セックスなしで、心の恋人でいましょ。」
そう言って、お付き合いするんです。だから全部疎遠になりますよね。
私にとって、お付き合いするってことはセックスするってことじゃないんです。今度の彼にね、
「私、男性とお付き合いしてたけど、誰ともセックスしてなかったのよ。あなたが初めてよ。」
「ほんと？」
すごく喜んでましたよね。ほんとに初めてなんですよ。
だから、今までセックスした男性の数は、まず主人でしょ？ それから、1人、2人・・・今度の彼で5人です。少ないですね。片手ですよ。
セックスが嫌いなわけじゃないんですよ。ただ、やらないだけで。だってやらしちゃうとね、みんな言いふらすでしょ？
「○○ちゃんとやっちゃった。」
言いますよ、絶対。私、そういうことよく聞きますもの。それが嫌なんですよ、私。だからやらないの。
付き合っているっていう意味は、お茶飲みに行くとか、食事に行く程度でしょ？ やっちゃったって言われるのと
「この前○○ちゃんと、お茶飲みに行ったよ。食事に行ったよ。」
というのと全然違うじゃないですか。
世代を超えて語り継がれる昭和の女の淫靡さ
私、少女がそのまま大人になったって言われますよ、みんなに。
「ずっと嫌いなもの見ずに大人になったね。」
そう言われます。
- 関連記事
-
テーマ:熟女・人妻 - ジャンル:アダルト
|
